あのまちの、おみやげプリン

東京を中心に、いろいろなまちをぷらり散歩しながら購入した、おみやげのプリンを、記録しています

【東京都中央区・日本橋人形町のまちと「江戸甘味處つくし」のプリン】

東京都中央区・日本橋人形町にやって来ました。

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人形町は、江戸の中心地として栄えた日本橋の一角を成す歴史と伝統ある街。人気の老舗店も多く残っていて、下町の風情が魅力的な界隈です。

駅を出てすぐの人形町通りには、町のシンボル「からくり櫓」。毎日11時から19時まで1時間おきにからくり人形が動き出すのだそうですよ。

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さて、この人形町、かつては芝居街として賑わった場所なのだそう。

江戸時代初期、京都から江戸に来た歌舞音曲の名人・猿若勘三朗が、猿若座(後の中村座)を開いたことが江戸歌舞伎の始まりとなり、次いで、泉州堺の村山又三郎が村山座(のちの市村座)を興し、ともにこの人形町に芝居小屋を建てました。さらに、周辺には人形浄瑠璃をはじめ、見世物小屋、曲芸など、安い料金でも楽しめる芝居小屋も建ち並び、大名から庶民まで芝居見物を楽しんだのだとか。そして、界隈には、人形を作る人、商う人、操る人など、人形芝居に関わる人が多く住み、それが地名の由来になったと言われています。

 

人形町から明治座に向かう途中にある浜町緑道には、当時から歌舞伎の演目で人気だった「勧進帳」の弁慶像があり、江戸歌舞伎の発祥を伝えています。

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明治期になると、安産祈願で有名な水天宮が移転してきたことから、人形町は門前町としても発展。人形町駅のすぐ近くには東京メトロ半蔵門線の水天宮駅もあって、現在でも安産祈願やお宮参り、七五三などの参拝客で賑わっています。

 

さてさて、今回はそんな人形町でプリンを求めて。人形町駅から徒歩2分、水天宮駅から徒歩1分のところにある和菓子店「江戸甘味處つくし」を訪問です。

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こちらのお店、なんと創業1877年(明治10年)、140年以上の歴史を持つ超老舗店。古くから水天宮の参拝客や明治座の役者、観客から愛されてきたお店です。

店内には明治15年頃のお店前風景が描かれた錦絵が飾ってありますよ。

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こちらのお店の看板商品が「人形町風鈴(にんぎょうちょうぷりん)」。

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なんでも、こちらの品は、江戸時代1851年生まれの創業者・初代鷺谷米蔵さんが書き残したレシピ帳をもとに5代目の鷺谷光寛さんが再現したプリンなのだとか。

本来であれば、人形町一帯は関東大震災や東京大空襲の被害で、昔の資料はなくなってしまっていた可能性が高いのですが、菩提寺の100年に1度の御開帳法要で庫裏から初代のレシピ帳「初代米蔵秘伝帳」が偶然発見されたのだそうです。そして、その中に記載してあった「西洋風茶碗蒸し菓子」のレシピを再現。初代の生誕150年の区切りとなる2001年に販売されました。

100年以上前のレシピとはどのような味なのでしょうか!?

 

「人形町風鈴」270円(税込)

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黄色味が濃いプリン。100年以上前のレシピを再現というだけあって、原材料は、卵・牛乳・砂糖・カラメルと実にシンプル。添加物、保存料などは一切使用していません。プリン自体はねっとりとした固さで、かなりしっかりと甘い。逆にカラメルは液状で苦め。とっても濃厚なので、小ぶりなプリンなのですが、ひとつでも十分満足感あり。なんというか、言うなれば、甘めのカステラを食べているような感覚のプリンです。

 

大変貴重なものを頂きました~。100年以上前の人々も食べていたのかと思うと感慨深さがありますね。ちなみに、かなり人気の品のようなので、売り切れていることもしばしば。今回も14時頃に伺って、ギリギリで購入できた感じですので、早めの時間に訪れることをお薦めします。

また伺いたいと思います!